続かないのは弱いから?【続く仕組みの作り方を解説】

「継続しようと思っても失敗してしまい、自分はダメだと落ち込んでしまう。」
「本当はやりたい事があるのに、だらだら過ごしてしまう。」
これは本当に自分が弱いからなのでしょうか?
この記事では、習慣化をする上で陥りやすい『どうにでもなれ効果』と対策について解説していきます。
この記事を読む事で、続かないのは自分が弱いからではなく、仕組みが弱いからだと納得していただいた上で、続く仕組みを作れるようになります。
※この記事は約14,000文字のロング記事になっております。
まとまった時間に読んでいただくか、気になる所だけでも読んでいただけると幸いです。

どうにでもなれ効果とは

やりたいと思っていることが急にどうでも良くなって辞めてしまう事はないでしょうか?」

仕事から帰ったら勉強しようと思っていたのに、youtubeを見始めて止まらなくなってしまう。

翌日も家でだらだらとyoutubeを見てしまっている。

せっかく継続出来ていたのに、、

 

実はこの現象は自分の意思が弱いからではないのです

ダイエットをしている人としていない人を対象にトロント大学が実験を行いました。

 

被験者にはピザを食べた後に、クッキーを食べてもらい、その評価をして欲しいと依頼しました。

この実験の本当の狙いは被験者がピザを食べた後クッキーをどれくらい食べるかを計測することです。

被験者の一部にはピザが他の人に比べて大きく見えるように配られました。※実際には同じサイズです。

 

 

結果、ダイエット中で大きく見えるピザを食べた人(食事制限を超えたと考える人)はダイエットをしていない人(食事制限を超えたと考えない人)に比べて50%以上多くクッキーを食べました。

 

制限を守れなかったと感じた人は、やりたい行動の逆の行動を取ってしまったのです。

この現象を『どうにでもなれ効果』といいます。

 

もう1つ『どうにでもなれ効果』について興味深い実験があるので紹介します。

ニューヨーク市立大学とピッツバーグ大学の心理学者の依存症研究者の実験では、18~55歳の成人144名に携帯情報端末を配布して飲酒記録をつけてもらいました。
毎朝8時にログインして、前の晩の飲酒の記録をつけます。
前日に『飲みすぎた』と記録した人は自分のことを責めてしまいます。
その結果、その日の夜も、その翌日も飲みすぎてしまいました。

 

「制限を超えてしまったからもういいや」と思い、『どうにでもなれ効果』に陥ってしまったのです。
これら2つの実験から『どうにでもなれ効果』は習慣を止めてしまう非常に危険な現象だとわかります。
『どうにでもなれ効果』に陥る原因の1つに目標を破った時に自分を責めてしまうことにあります。
自分を責めている状態を好きな人間なんていません。逃れたいはずです。
そのため、「考えたくないから逆の行動(娯楽・睡眠など)をやろう」という反応を取ってしまうのだと思います。
『どうにでもなれ効果』は習慣化を妨げる非常に危険な現象なのです。
どうにでもなれ効果:目標を破った時に自分を責めてしまうことで、やりたいことの逆の行動をしてしまう

どう解決する?

まずは『どうにでもなれ効果』に陥ってしまう原因について考えていきます。

 

原因は主に2つあります。

1つ目は目標を破ってしまうこと
2つ目は自己否定する思考が染み付いてしまっていること

が挙げられます。

 

1つ目は目標を破ってしまう原因を『習慣になっていないから』だという着眼点で考えます。

歯磨きは失敗しません。

毎日運動することや毎朝サラダを食べることが習慣になっていれば失敗はしないと考えます。

 

「習慣が出来る前に失敗してしまうんだよ。」

と思われるかもしれません。

ご安心ください。

 

習慣化の仕組みづくりを1つずつ丁寧に解説していきます。

大きな枠組みとして、きっかけ→行動→報酬のサイクルを繰り返し回すことで習慣化の仕組みを作っていきます。

 

2つ目の原因である自己否定する思考が染み付いてしまっていることに関しては、メンタルケアの方法を紹介していきます。

自分の意志が弱いと考えるのではなく仕組みを改善するために脳を使う考え方・マインドフルネス・腸内環境・運動の観点からメンタルケアに役立つ方法を紹介していきます。

 

習慣化に必要な仕組みづくり

 

目標を破らないように仕組み作りをしていきます。

自制心・意志の力には限界があります。

自制心・意志の力に頼らず、仕組みを整えて習慣化していきましょう。

 

もっとも自制心のある人はもっとも自制心を使わない人

ジェームズ・クリアー(2019),『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』, パンローリング 株式会社出版.

 

習慣はきっかけ→行動→報酬のサイクルを繰り返すことで構築されます。

チャイムが鳴る → ご飯を食べる → 満足する

を100日ほど繰り返すとチャイムが鳴った時点で無意識にご飯を食べるようになります。

チャイムが鳴るだけで徐々に唾液が分泌されるようになってきます。

更に進んでいくと、チャイムが鳴っているのにご飯を食べれないと違和感を感じるようになります。

 

歯磨きをしなくて違和感を感じた経験はないでしょうか?

このように習慣は構築されていきます。

 

きっかけ→行動→報酬のサイクルを習慣化の仕組み作りに活用していきます。

 

良い習慣を作るには

・きっかけを明確にすること
・行動を簡単にすること
・報酬を魅力的にすること
悪い習慣をやめるためにはこの逆で、
・きっかけをなくすこと
・行動を難しくすること
・報酬の魅力をなくすこと
が必要になってきます。
具体的にどのように仕組みを整えていけば1つずつ解説していきます。

きっかけ

良い習慣を作る:『きっかけを明確にする』

2001年にイギリスの研究者が、運動を継続する際に状況を明確にすることが効果があるのか確かめる実験を行いました。

夕食前好きな音楽を聴いたらウォーキングをするといった具合に運動をする状況を明確にしました。

ただ運動をしようと考えていたグループよりも、運動する状況を決めていたグループは2倍以上も実行率が上がったそうです。

運動をするという行動の『きっかけ』を明確にしたわけです。

このように、行いたい行動の状況を設定することをif thenルールと言います。

 

ルールはXをしたらYを行うという非常にシンプルなものです。

夜歯磨きをしたら、読書を1時間する
朝コーヒーを飲んだら、散歩をする
お風呂に入ったら、瞑想を10分する

このXをしたらYを行うという行動を何百回も繰り返し行うことにより、習慣化していきます。

『きっかけ』が明確な分、『きっかけ』を決めないで行動するよりも定着スピードが早くなるのです。

 

『きっかけ』と一括りに言っても、悪い『きっかけ』もあります。

 

以下2つです。

・時間をきっかけにすること

・食後をきっかけにすること

1:悪いきっかけ:時間をきっかけにする

時間をきっかけにすることは、思いつきやすいのでやってしまう方がたくさんいると思います。

例えば、「20:00になったら勉強をしよう」と設定してしまいます。

意外にも、時間を『きっかけ』に選ぶのは良くないのです。

 

時間を『きっかけ』にすると、用事などで守れないことが多々出てきます。

急な飲み会や仕事で時間を守れなくなってしまう経験は誰にでもあると思います。

「今日は20:00超えちゃったからもういいや」となってダラダラと過ごしてしまうのです。

 

改めて言いますが、『どうにでもなれ効果』を防ぐためには失敗しないことが最重要なのです。

時間を『きっかけ』にするときっかけ』として機能しなくなる可能性が上がります

 

時間をきっかけにするのではなく、状況をきっかけにするようにしましょう。

 

お風呂上がりなどをきっかけにすると、お風呂に入る日は全て『きっかけ』として機能します。

20:00と『きっかけ』を決めるよりもお風呂上がりの方が『きっかけ』として確実に機能するのです。

時間をきっかけにすることは辞めて状況をきっかけにすることで『どうにでもなれ効果』を防ぎましょう。

 

2:悪いきっかけ:食後をきっかけにする

食事(特に炭水化物)を獲ると血糖値が上がって急激に下がります。

これを血糖値スパイクと言います。

血糖値スパイクになると眠気が起きます。

これが食後が眠いことの正体です。

 

眠いことが理由となり無気力な状態になってしまいます。

意思力が弱い状態にあるのです。

この傾向は、人間の性質上仕方がないことなので食後に集中力を使う習慣を作ることはお勧めしません。

 

食後の倦怠感を予想して未然に『どうにでもなれ効果』を防ぎましょう。

 

※ちなみに、眠くならないための食べ物の選び方【コンビニ編】も書いているので良かったら覗いてみてください。

・if then ルール(XをしたらYを行う)を使う

・Xには状況を設定。時間・場所はNG

・食後をXにすることもNG

 

悪い習慣をやめる:『きっかけをなくす』

 

良い習慣を作るためにきっかけを明確にすることが重要だと考えていきました。

 

悪い習慣をやめるためには、この逆できっかけをなくすことが重要になってきます。

 

悪い習慣も『きっかけ→行動→報酬のサイクル』が繰り返されることで構築されていきます。

きっかけをなくしていけば悪い習慣も無くなるという考え方で解決していきます。

 

ジェームズ・クリアー氏の著書、atomic habitsでは脱依存症に対する興味深い知見が掲載されています。

 

1971年、ベトナム戦争で駐屯するアメリカ兵の約20%がヘロイン中毒だったそうです。

それを受け、米国政府が対策を講じてヘロイン防止とリハビリを推進し、帰国後も追跡調査しました。

一般的にヘロイン中毒者が更生施設から家に帰ると90%が中毒になるそうです。

ヘロイン中毒はそれほど強力な依存症という認識がされていました。

帰国後の追跡調査では、そんな通説を覆すようにアメリカ兵のヘロイン使用者だった人達が1年以内に再び中毒になったのはわずか5%でした。

 

一般的なヘロイン中毒者が更生施設から家に帰っても90%が中毒になるのは、ヘロインを吸う『きっかけ』が地元・家に沢山あるからです。

タバコを長年やめていた人が、飲み会で友人がタバコを吸っているのを見て自分も吸ってしまう。

というのはまさに『きっかけ』が悪い習慣を誘発している典型的な例です。

一方アメリカ兵のヘロイン中毒者は駐屯先にヘロインを吸う『きっかけ』はありますが、地元には『きっかけ』はありません

そのことが再び中毒になる割合を5%まで落としたのだと思います。

 

このことはきっかけを完全に無くせば悪い習慣が無くなるという知見を私たちに与えてくれます。

逆に悪い習慣を引き起こすきっかけが残っていれば、悪い習慣はすぐに誘発されてしまうのです。

 

習慣は断つことはできるが、忘れることはできない

ジェームズ・クリアー(2019),『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』, パンローリング 株式会社出版.

 

つまり、本気で悪い習慣を断ちたいなら

きっかけを完全に無くす
ことが重要になってきます。
きっかけを完全に無くすことを目的に行動していくべきです。
そのために最初にするべきことは
悪い習慣を行うきっかけをリストアップしていくことです。
暴飲暴食をしてしまうなら、どういうきっかけでそれが起こったのかを考えましょう。
・カップラーメンが置いてあったのを見た
・お酒を飲んだ
・ラーメン屋さんに通りかかった
・友人が大盛りを頼んでいるのを見た
このように、自分が悪い習慣だと思っていることのきっかけをリストアップしていきます。
それにその都度対策を立てていきましょう。
想像の通り、これは2.3日で簡単に悪い習慣を辞めれるような方法はありません。
日々悪い習慣を分析しながら毎日対策を立てて、失敗をして、また対策を立てることを繰り返す地道で長期的な戦いです。
悪い習慣というのは、きっかけ→行動→報酬のサイクルが長い年月を経て構築された倒すことが難しい相手です。
地道に愚直に長期的に倒していきましょう。
※タバコを吸う『きっかけ』で友達がタバコを吸うということがよく挙がります。
その友達と一生会わないという選択肢を取り、結果的に生活の質を下げるのではなく、一緒に禁煙を試みるなどの対策を立てるようにしてバランスを取れると良いです。(非常に難しいことですが、、)

・きっかけを完全に無くす

・悪い習慣を行うきっかけをリストアップ

行動

良い習慣を作る:『行動を簡単にする』

きっかけ→行動→報酬のサイクルの行動について見ていきます。

 

何か目標を立てると行動の壁を高くしてしまいがちです。

・毎日ランニングする
・毎日一冊読み切る
・朝5時起きにする
日々の習慣を変えることには大きな負担がかかります。
その負担に耐えきれず、『どうにでもなれ効果』が働いてしまい習慣が途切れてしまいます。
耐えられる負担にすることで継続することが重要です。
つまり、本当に小さい行動を何度も何度も繰り返す方が習慣化には最適なのです。

小さい行動の習慣化ができてきたら少しづつハードルを上げていきましょう。

 

思っているよりも小さい行動から初めて大丈夫です。

何よりも毎日、頻度多く続けることが習慣化の鍵になります。

・日記帳を開く
・運動用の靴を履く(ジムに行く準備)
・本を1ページ読む
「こんなにハードル低くて良いの?笑」
と、ちょっとニヤけてしまうくらいハードルは低くて構いません。
その代わりきっかけとセットにすることはマストです。
・スタンドランプをつけたら、日記帳を開く
・歯を磨いたら、運動用の靴を履く
・ドライヤーをしたら、本を1ページ読む
繰り返し行い、習慣化してからハードルを上げていきましょう。
行動を簡単にするために2つ優秀な方法があります
・やめる目標ではなく、やる目標に変更する
・20秒ルールを適用する

1:辞める目標ではなく、やる目標に変える

辞めている状態を習慣にする事は常に意識を張っていなければいけないとても大変な目標です。

それに対してやる目標は行動を起こす一瞬だけ意識を張れば良いので比較的に楽にできます。

 

ある実験では、アルコール依存症の患者にお酒を断つという目標ではなく、しらふの日を数えるという目標に変えてもらったところ禁酒の効果が大幅に改善しました。

これは【お酒を断つ】に比べて【しらふの日を数える】という目標だと失敗する可能性が著しく低いため、『どうにでもなれ効果』が発生しないからだと考えられます。

 

辞める目標をやる目標に変えて、徐々に目標達成していきましょう。

具体例を紹介していきます。

・お昼ご飯を食べすぎない → バナナとヨーグルトを食べる
・朝ごはんを食べない → 朝から昼にかけて水を2L飲む
・youtubeを長時間見ない → 本を毎日1ページ読む
※習慣になるとyoutubeよりも読書をするようになります。
このように辞める習慣を、やる習慣に変えると行動を簡単にできるのでおすすめです。

2:20秒ルール

20秒ルールとはハーバード大学のショーン・エイカー博士の著書【幸福優位7つの法則】で紹介されているテクニックです。
やり方はシンプルで
やりたい習慣を20秒以内に実行できるようにし、やめたい習慣は20秒以上かかるようにする
というやり方です。
人は自分がやりたいことよりも楽な方を優先してしまう傾向があります。
「休日にジムに行って帰ってきたら、読みたかった本を一冊読破する!」
と休日の計画を楽しみに立てたとしても気づいたらテレビのリモコンを付け、スマホを触ってしまいます。
着替えてから、靴を履いてジムに行く。
本を持ってきて読書をする
ことよりも、
テレビのリモコンをつけたりスマホを触る方が簡単だからです。
心からやりたいと思っていたとしても、楽な方を選択してしまう性質が人間にはあります。
そのため、20秒ルールが役に立ちます。
やりたい習慣のやるまでの行動を20秒減らすことによって行動することを楽にします
悪い習慣をやめたい時はその逆で、やるまでの行動を20秒増やします。
そうすることで悪い習慣が楽ではなくなり徐々に悪い習慣がなくなっていくのです。
要するに、
良い習慣を行うまでの工程を簡単にし、悪い習慣を行う工程を難しくする
ことが重要です。
ですので、20秒という数字はそれほど意識しなくても良いと思います。
あくまで目安として活用しましょう。
具体例を見ていきます。
SNS依存を直したい
・SNSのアイコンを10スクロールしないと届かない位置におく
→習慣にしたいアプリのアイコン(kindle等)を先頭に持ってくる
・ログアウトしてしまう
食生活を正したい
・カップ麺などを家に常備しない
・自分が食べたくなる店とは別ルートを通るようにする
・健康的な食材を家にストックしておく
運動
・スポーツウェアで寝る
・遠くのジムを選択しない
これらのように良い習慣をつけたい場合には行動の工程を簡単にして、悪い習慣を辞める場合には行動の工程を難しくする仕組みを作りましょう。

 

・小さい行動を何度も何度も繰り返す(必ずきっかけとセットにする)

・辞める目標ではなく、やる目標に変える

・やりたい習慣を20秒以内に実行できるようにし、やめたい習慣は20秒以上かかるようにする

報酬

きっかけ→行動→報酬のサイクルの3つめである報酬について深掘りしていきます。

良い習慣を身につけるために適切な報酬を設定していきましょう。

 

結論から先に言います。

一番優秀な報酬は記録です。

 

「いやいや、記録はめんどくさい行動で報酬にはならないだろう」

 

と思われるかと思います。

しかし、記録をすることは報酬として優秀なのです。

3つの考え方から記録が優秀だと考えられます。

成長報酬:記録することで、自分がやりたいことをやった日数が積み上がっていくので成長を実感できる。
即時報酬:人はすぐに報酬をもらえるこを魅力的に感じる。記録はすぐにできる
プロスペクト理論:記録で積み上がった日数を失うのが嫌なので行動力が増す

※詳しくは『ご褒美を使った習慣化に失敗しない方法』で書いているのでここでは簡単に説明させていただきます。

習慣は66日間を目安に継続すると習慣化しやすいと言われています。

自分がやりたい習慣をやれたかどうかを66日を目標に毎日チェックしていきましょう。

 

この時のポイントが行動を簡単にすることです。

にやけてしまうくらい簡単な目標を、まずは66日間続けていきましょう。

ハードルを上げていくのはそこからです。

 

 

継続していくと、徐々に記録が積み上がっていきます。

15日を超えると続いてきた記録を無くすのが嫌になり、記録自体が報酬になり始めます。

そうなれば、もう習慣化の一歩手前まで来ています。

きっかけ→行動→報酬のサイクルを繰り返して確実なものにしていきましょう。

 

記録の取り方にもおすすめなものがあります。

2つの要素を満たしているものが良いです。

・簡単にできる
・行動をしてからその場で記録できる

記録も1つの習慣なので行動を簡単にできるようにするべきです。

 

加えて即時報酬という考え方があります。

人類(ホモサピエンス)が生まれたのは約20万年前に遡ります。

そこから農耕が始まるまでの長い間、狩猟採集の時代を送ってきました。

農耕が生まれたのは約1万年前です。

狩猟採集の時代では、食べ物を見つけたらすぐに食べる『即時報酬』な生活を長く送ってきました。

とても長い時間『即時報酬』な生活を送ってきたのです。

農耕が生まれてからは、長期的な計画で食べ物を食べる『遅延報酬』な生活と『即時報酬』な生活が混ざるようになっていきます。

 

つまり人間は20万年間の生存本能で、すぐにご褒美が得られる『即時報酬』に脳が適応しているのです。

長期的にコツコツやれば成果が出ると分かっているダイエットや仕事があっても、すぐには結果が出ないのでうんざりしてやめてしまうのはこれが理由です。

『遅延報酬』は人間に適していないのです。

長期的な目標を持つことは素晴らしいことですが、同時に『即時報酬』も用意してやる必要があります。

これらのことから、簡単にできてすぐに記録できる方法が最適だと考えられます。

 

お風呂上がりに体重を測る習慣をつけたい場合は

体重計の近くにカレンダーとペンを置いておいてチェックをつけるようにしましょう。

簡単ですぐにできますね。

 

スマホで記録することもおすすめです。

常備しているため、すぐに記録できます。

一番おすすめのアプリは継続する技術というアプリです。

非常にシンプルで簡単に記録ができます。

このアプリでは30日が目標の設定期間になっているので1周目はにやけてしまうくらい簡単な行動を設定。

2周目はハードルを少し上げてやってみるのも良いかと思います。

継続する技術:App Store

継続する技術:Google Play

 

報酬の魅力をなくす

悪い習慣を無くす方法ではきっかけを無くして、行動を難しくすることが一番の解決策だと思っております。

それでも難しかった時の対策として報酬の魅力をなくしてみましょう。

悪い習慣をやめるために報酬の魅力を下げる方法を紹介します

コツは

報酬を罰に変えることです
2つやり方があります。
1:パブリックコミットメント

自分が尊敬している人に対して目標を宣言しましょう。

どうでもいい人ではなく、尊敬している人(信頼を失いたくない人)に対して宣言することがポイントです。

 

もしその行動をした場合、報酬ではなく罰(信頼を失う)に置き換わります。

今まで美味しいものを食べて得ていた満足感を人からの信頼を失うという罰に変えてしまうのです。

 

2:徹底的な情報収集

自分がやっている習慣が毒だと認識するくらい情報収集します。

やめたい行動には何か悪い効果がついているからやめたいのだと思います。

その悪い効果についてひたすら情報収集して自分を120%納得させましょう。

毎日悪い効果について繰り返し暗記するのも良いかと思います。

かなり、無理矢理なやり方ですが、徐々に毒のように感じてきて報酬ではなくなります。

今まで気持ちよく吸えていたタバコが毒のように感じてきます。

・報酬は記録がおすすめ
・簡単にできてその場で記録できる方法を採用する
・悪い習慣はきっかけと行動を変えることの優先順位が高い
・報酬を罰に変えるにはパブリックコミットメントか徹底的な情報収集

習慣化_まとめ

習慣はきっかけ→行動→報酬のサイクルを繰り返すことで構築されます。

良い習慣を作るには

・きっかけを明確にすること
・行動を簡単にすること
・報酬を魅力的にすること

悪い習慣をやめるためにはこの逆で、
・きっかけをなくすこと
・行動を難しくすること
・報酬の魅力をなくすこと

が習慣の仕組みづくりの基本です。

細かいところは色々ありますが、仕組みづくりの基本を軸に日々修正して習慣化していきましょう。

重要キーワード

きっかけ

・if then ルール(XをしたらYを行う)を使う

・Xには状況を設定。 時間はNG

・食後をXにすることもNG

・きっかけを完全に無くさなければ悪い習慣は治らない

・悪い習慣を行うきっかけをリストアップして対策していく

行動

・小さい行動を何度も何度も繰り返す(必ずきっかけとセットにする)

・辞める目標ではなく、やる目標に変える

・やりたい習慣を20秒以内に実行できるようにし、やめたい習慣は20秒以上かかるようにする

報酬

・報酬は記録がおすすめ

・簡単にできてその場で記録できる方法を採用する

・悪い習慣は報酬を変えるよりもきっかけと行動を変えることの優先順位が高い

・報酬を罰に変えるにはパブリックコミットメントか、徹底的な情報収集が有用

 

自己否定する思考を排除

前半では習慣化の仕組みを軸に考えてきましたが、後半では自己否定を和らげるメンタルケアについて書いていきます。

新しい習慣を作ろうとしたら、失敗は前提です。失敗して改善していくことが基本になります。

しかし、ずっと失敗を繰り返していると精神的に参ってしまいます。

ですので、失敗しても自己否定をしないためのメンタルケアが重要になってきます。

メンタルケアも一つの習慣ですので、前半の習慣化の仕組みを上手く活用していきましょう。

仕組みが全部悪い

失敗してしまった時に、人は自分を責めてしまう傾向があります。

『どうにでもなれ効果』に陥ってしまう原因であり、絶対にやってはいけません。

 

じゃあどう考えれば良いのか。

「私は何も悪くない。仕組みが全部悪いんだ」

こう考えましょう。

すると仕組みを改善するために脳を使うようになります。

きっかけ→行動→報酬のサイクルの調整をするようにするのです。

今まで自分を責めるために使っていた脳を、仕組みの改善を考えることにシフトできます。

落ち込んでいた時間が、

・もうちょっと日々のタスクのハードルを下げよう
・きっかけを明確にしよう
・20秒ルールを使って遠ざけてみよう

仕組みの改善を考えるようになります。

落ち込んでいた時間が、非常に前向きな時間に変化しています。

是非、失敗した時は仕組みのせいにしてみてください。

「私は何も悪くない。仕組みが全部悪いんだ。」

マインドフルネス

マインドフルネスもメンタルケアに非常に効果的です。

マインドフルネスの定義を一般社団法人 日本マインドフル・リーダーシップ協会から引用させていただきます。

マインドフルネスは、「今という瞬間、瞬間への、一切の評価、判断を挟まない、気づきの状態(アウェアネス)」です。

一般社団法人 日本マインドフル・リーダーシップ協会

 

この定義は『自分の思考に判断を挟まずに気づくこと』だと解釈しています。

仕事や勉強をしている時に、「友達に言われたあの一言が気になるな」「あれ食べたいな」「LINEの返信はまだかな」といったことが気になって本当に集中できていない状態になることがあります。

このような自動的に脳に浮かんでくる思考をDMN(デフォルトモードネットワーク)と言い、人は脳の約90%をDMNに使っています

このDMNを認識して、1つのことに集中することがマインドフルネスです。

 

メジャーな方法としては

呼吸を深く吸って、深く吐くことに集中。

その際に頭の中に浮かんできたことに判断せずに気づく。

頭の中の思考に気づいたら呼吸に集中を戻す。

という方法です。

詳しいやり方や効果は別の記事に書いてありますので気になる方はこちらからご覧ください。

 

これが本当にメンタルケアに役立つのでしょうか?

マインドフルネスがストレス解消に効果があるのか調べた研究があります。

マインドフルネスがコルチゾール(ストレスホルモン)をどれほど低下させるかを調べました。

3ヶ月間の瞑想期間を終えた人を対象に調べたところ、マインドフルネスとコルチゾール(ストレスホルモン)に相関性が見られました

マインドフルネススコアが高い人ほどコルチゾール(ストレスホルモン)が低下したそうです。

※マインドフルネススコアは今の感覚や・目前の課題に集中できているかのアンケートによって測定されました。

 

この研究からマインドフルネスをすることによって、ストレスが減るという知見が得られます。

 

これは人間が元々不安を感じやすい生き物だからだと思います。

今に集中できていない時は、過去の後悔や未来の不安を考えてしまっていることが多いです。

過去楽しかったことや、未来の期待よりも過去の後悔や未来の不安を考えてしまう頻度が多いかと思います。

ホモサピエンスが生まれてから20万年間、災害や食糧難や戦争など様々な危機に直面してきました。

「まあ、大丈夫だろう」と楽観的に物事を考えるよりも、「来年には食べられなくなるかもしれないから、食料を保存しておこう」と悲観的に考える方が生存確率が高かったからだと思います。

 

そのため、人は過去の後悔や、未来の不安を考えてしまう傾向が強いのです。

役に立つこととは言え、ずっと悲観的に考えていたら精神的によくありません。

マインドフルネスで今に集中することによって過去の後悔や、未来の不安を考えなくなることでメンタルケアに繋がるのだと思います。

 

マインドフルネスもきっかけ→行動→報酬のサイクルを繰り返して習慣化にトライしてみてください。

きっかけ→行動→報酬の具体例

・朝起きて水を飲んだら瞑想をしてカレンダーに記録をつける
・夜ドライヤーをした後瞑想をしてアプリで記録をつける

メンタルが安定することで、きっと他の習慣も上手くいくはずです。

腸内環境の改善

腸は第二の脳と言われているほど重要な役割を持っています。

腸内環境を整えることは健康面、生産性、メンタル、ダイエットにも効果があるのです。

今回はメンタル面に着目していきます。

 

腸内細菌が多ければ多いほど慢性疲労が改善するという研究結果があります。

2016年、コーネル大学の研究チームが慢性疲労症候群に悩む患者の腸内細菌を調べる実験を行いました。

結果は、慢性疲労症候群の患者は腸内細菌の数が少なかった上、疲れやすい人ほど体内の炎症レベルも高く、リーキーガットの割合も高かったそうです。

※リーキーガットとは腸の細胞に細かい穴が空いてしまうことによって、有害物質が血管に入ってしまうことです。

慢性的な疲れやすさは腸内細菌の数を増やせば改善する可能性があります。

 

体内炎症を抑えることは非常に重要です。

炎症のレベルが高いほど、うつ病のリスクが高まる事がわかっています。

炎症のレベルが高いほど、うつ病発症のリスクが急上昇する。そして、炎症マーカーのレベルが高いほど、うつ病の症状が重くなる。

デイビッド・パールマター,クリスティン・ロバーグ. 「腸の力」であなたは変わる (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1177-1178). Kindle 版.

炎症の原因として、腸の炎症が血流に乗って脳の炎症を引き起こすことが考えられます。

炎症を抑えるために腸内環境を整えることは効果があるのです。

つまり、腸内環境を整えることにが精神の安定にも繋がります。

腸内環境を整えるための方法は別記事で詳しく書いています。こちらをご覧ください。

運動

運動もメンタルケアに非常に役に立ちます。

日常的な運動と精神的な健康との関連性を調べた研究があります。

米国のイェール大学と英国のオックスフォード大学が共同で行った研究では、米国内に住む18歳以上の成人約120万人を対象に運動と精神について大規模な調査を行いました

その結果、運動をするグループは運動をしないグループに比べて、1ヵ月間に気分が優れないと感じる日数が平均して1.49日少なかったのです。

その他にも、1週間に運動を2時間以上しているグループは1年後に抑うつになるリスクが約半分になるなど運動が精神に良い影響を与えることを指し示す研究は多数あります。

 

なぜ運動が精神に良い影響を及ぼすのでしょうか?

1つの理由として、運動をすることによりセロトニンやエンドルフィンというホルモンが分泌されるからという理由があります。

セロトニンはストレスに対して効果的であり、精神安定剤と似たような構造をしているストレスを解消するホルモンです。

エンドルフィンは痛みの緩和や気分を良くするホルモンとして知られています。

これらの効果を持つセロトニンとエンドルフィンが分泌されることによって精神に良い影響を与えるのだと考えられます。

運動すると何となく気分が良いなと思っていたことは、セロトニンとエンドルフィンが分泌されているからだとわかります。

 

では、どれくらいの量運動すれば精神に良い影響を与えるのでしょうか。

 

一つ基準となる研究があります。

1991年にイリノイ大学が行った研究1日20分の早歩きで鬱と不安が大きく改善したという報告がされました。

これを基準として運動を行いましょう。

・出社・学校までの最寄駅を2駅早く降りてから→ウォーキング→記録
・仕事の休憩に入ったら→ウォーキング→記録
・夕食を食べた後→ウォーキング→記録
これらのようにきっかけ→行動→報酬のサイクルを決めて繰り返していきましょう。
※運動の習慣に関しては、スマートバンドやIPhoneのヘルスケアを使うこともおすすめです。

メンタルケア_まとめ

『どうにでもなれ効果』に陥ってしまうのには自分を責めてしまうことが原因の1つです。

メンタルを良好に保つ手段として4つの方法を紹介しました。

1:「私は何も悪くない。仕組みが全部悪いんだ」とういう考え方

2:マインドフルネス

3:腸内環境の改善

4:運動

1:「私は何も悪くない。仕組みが全部悪いんだ」とういう考え方

これはどんな人でも絶対にした方が良いと思います。

失敗した時きっかけ→行動→報酬のサイクルの調整をするようにしてください。

今まで自分を責めるために使っていた脳を、仕組みの改善を考えることにシフトしましょう。

2:マインドフルネス

3:腸内環境の改善

4:運動

これらに関しては試してみながら自分に合った方法に調整していきましょう。

どれか1つでも習慣にできると精神状態が良好になると思います。

 


いかがだったでしょうか?
長々と書いてしまいましたが、『どうにでもなれ効果』に陥らないために、自分を責めない事だけでも忘れないでいただけると幸いです。

 

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参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0195666310004630?via%3Dihub
https://www.spring.org.uk/2011/03/the-what-the-hell-effect.php
https://self-compassion.org/wp-content/uploads/publications/AdamsLearyeating_attitudes.pdf
https://www.earthship-c.com/motivation/self-compassion
ジェームズ・クリアー(2019),『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』, パンローリング 株式会社出版.
ショーン・エイカー(2011),『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』, 徳間書店出版.
https://www.ucdavis.edu/news/mindfulness-meditation-associated-lower-stress-hormone
デイビッド・パールマター(2016),『「腸の力」であなたは変わる』, 三笠書房出版.
my-zaidan.or.jp/tai-ken/information/mental/
https://www.researchgate.net/publication/21326590_A_Meta-Analysis_on_the_Anxiety-Reducing_Effects_of_Acute_and_Chronic_Exercise

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